ドライのシール交換(2) 手首


( 前回の続き )

注文した、SI TECH 社のクイックオーバルとネックタイトが届きました。

早速、手首のクイックオーバルから作業を始めます。

クイックオーバル
クイックオーバルのセット
※ 海外から直接購入すると日本語の説明書はありません 

クイックオーバルはこんな感じ。


2つの輪っか(リストリング)の間にシールを挟んで固定しています。
リストリングを付けてしまえば、いつでもリストシールの交換ができます。
シリコンシールが使えるのもメリットです。
しかも、交換用のシリコンリストシール1組で1,600円。次回以降は経済的になります。


まず、古いリストシールを剥がします。(A)
そのままシールを剥がそうとしても強力な接着剤でビクともしませんが、ホットエアーガンで60~80度前後の温風を3-5cm位の範囲で区切りながら接着面に当て、温かい状態で剥がすと簡単に剥がせます。(B)

以前、ダイビング後にドライスーツを着たまま湯船に浸かっていると、他のダイバーから

  「 浸かり過ぎると、熱でブーツがとれちゃうよ 」

と言われた時は信じてなかったのですが、なるほど×2。


残った接着剤は、細目の紙ヤスリで削り、アセトンで溶かし、布で拭き取ります。頑固な接着剤はなかなか落とせないので、何度も×2作業を繰り返して表面を滑らかにします。作業時間を費やすので、正直、こんなことをシール交換の度にするくらいなら、お金払ってお願いしている方がいいです。

袖口が手首より2cm上となるようにドライスーツの袖を短く切ります。(C)

(A)
(B)
(C)

ようやく接着作業です。
リストリングの接着面を、粗目の紙ヤスリで擦りザラつきを出し接着効果を高めます。

リストリングがポリウレタン素材ということで、ポリウレタン系接着剤を推奨しています。ホームセンターやネットで調べても接着剤の知識が無いので、どれを購入したらいいのか悩みました。
で、購入したのが

ゴリラグルー(ポリウレタン系強力接着剤)
キャッチコピーで買ってます(笑)

でも、ノズルから接着剤が出てきません。振ってもお湯につけても出てこない。なんで???
ノズルを外してみると、接着剤は松ヤニ並みに粘度が高いのです。

接着作業して分かったのですが、この接着剤は水と反応すると微小の気泡で膨張し、細かな隙間を埋めるようにして固まります。

24時間乾燥後。
強力に接着できているようですが、はみ出た接着剤を見ると、断熱材のスタイロフォームのような感じで、浸水を防ぐことが出来るのか心配です。この接着剤は、ドライスーツの補修には合わないのかもしれません。
接着剤について輸入代理店に確認すると、ネオプレンに使用されてるCR系(クロロプレンゴム系接着剤)でもいいようです。

本来であれば、ドライスーツとリストリングとの接着部分に熱着PUテープを接着して補強するのですが、急遽アクアシールを取り寄せて浸水対策します。

アクアシール
スーツやBCの修理補強に最適

ドライスーツとリストリングの繋ぎ目にアクアシールを薄く塗って防水処理を施します。24時間乾燥後、更に広めに塗って補強します。初めからアクアシールを使っておけば無難だったと激しく後悔。


リストシールは標準サイズ(円周サイズ:13.2-17.0cm)で購入しています。
男性としては普通の手首の太さだと思っていたのですが、トリミングしなくても丁度良い感じです。

クイックオーバル取り付け
クイックオーバル完成

試行錯誤を繰り返し、ようやく接着作業が完了です。
作業に失敗したら高価なドライスーツを購入するハメになるので、プレッシャーで疲れました。

首のネックタイトの接着作業が残っているのですが、気持ちが前向きになったら再開します。


( 続 く )